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大きな地震のあとに心配なのは、揺れそのものだけではありません。総務省消防庁の住宅防火情報のページでは、地震の揺れによる建物や設備の損傷が原因で発生する「地震火災」について、電気に起因する火災が特に多く発生している、と説明されています。そして、その対策として「感震ブレーカー」が有効とされています。
この記事では、消防庁の「感震ブレーカー」のページと、同ページで紹介されている資料「感震ブレーカーの効果と種類」をもとに、感震ブレーカーの4つの種類と、価格の目安、注意点を紹介します。後半の自宅での確認の手順や、一緒に備えたい物は、この記事の提案です。設置や工事の判断は、電気工事業者や自治体の案内も確かめてください。
※価格は資料に掲載された目安で、実際の価格は製品や工事内容によって変わります。
感震ブレーカーとは?
地震火災とは
消防庁のページでは、地震火災とは、地震の揺れによる建物や設備の損傷が原因で発生する火災の総称です、と説明されています。電気に起因する火災が特に多く発生していて、地震直後だけでなく、停電後の復電時など、時間が経ってから起こることもある、とされています。
感震ブレーカーの役割
感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると自動で電気を遮断する装置です。地震時の電気火災を防ぐためには、避難する際にブレーカーを落とすことが有効ですが、大規模地震時など自力でブレーカーを落とすことが難しい場合や、不在時に地震が発生することもあります。こうした場合に備えて、感震ブレーカーを設置しましょう、と消防庁は呼びかけています。
感震ブレーカー4つの種類
消防庁のページでは、感震ブレーカーには様々な種類があるので、自宅に合うタイプを選びましょう、とされています。
1. 分電盤タイプ(内蔵型)
分電盤に内蔵されたセンサーが揺れを感知し、ブレーカーを落として電気を遮断するタイプです。電気工事が必要です。資料では、価格は約5万円〜8万円(標準的なもの)とされています。
2. 分電盤タイプ(後付型)
分電盤に感震機能を外付けするタイプで、漏電ブレーカーが設置されている場合に設置可能、とされています。電気工事が必要です。資料では、価格は約2万円とされています。
資料では、分電盤タイプの特徴として、感震性能が高く、専門工事業者による設置のため作動の信頼性が高いこと、感震後、通電の遮断までに一定の待機時間(3分程度)が設定されていて、その間は照明が確保されること(待機時間は変更可能)が挙げられています。一方で、待機時間後には建物全体にわたって通電が遮断されることから、在宅用医療機器等を設置している場合は、停電に対処できるようバッテリー等を備えることが必要、とされています。
3. コンセントタイプ
コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、そのコンセントからの電力供給のみを遮断するタイプです。消防庁のページでは、電気工事が必要なものと、不要なものがある、とされています。資料では、電気工事が不要なタイプ(コンセント差込型)と必要なタイプ(コンセント埋込型)の両者がある、と書かれています。価格は約5,000円〜2万円です。
資料では、作動時においても未設置のコンセントへの通電は確保されることから、通電の遮断に伴う避難等の支障は小さい、とされています。ただし、コンセント以外の配線、コンセントまでの屋内配線、未設置のコンセントで発生する火災は予防できないこと、電気製品の種別やレイアウトの変更等に応じた効果的な設置と継続的な対応が必要なことも書かれています。
4. 簡易タイプ
地震によりおもりが落下したり、バネの力が作動したりすることで、物理的にブレーカーを落として電気を遮断するタイプです。電気工事は不要で、資料では、価格は3,000円〜4,000円程度とされています。
資料では、ユーザー自ら取り付けるため、設置方法に伴う作動の信頼性にばらつきが生じるおそれがあること、作動すると通電が一斉に遮断されることから、別途、避難用の照明等の確保が必要なこと、既設分電盤の形状によっては取り付けが困難な場合があることが挙げられています。
| 種類 | 遮断のしくみ | 電気工事 | 価格の目安(資料より) |
|---|---|---|---|
| 分電盤タイプ(内蔵型) | 内蔵センサーで感知し、ブレーカーを落とす | 必要 | 約5万円〜8万円 |
| 分電盤タイプ(後付型) | 分電盤に感震機能を外付け | 必要 | 約2万円 |
| コンセントタイプ | そのコンセントからの電気を遮断 | 必要なもの・不要なものがある | 約5,000円〜2万円 |
| 簡易タイプ | おもりやばねでブレーカーを落とす | 不要 | 3,000円〜4,000円程度 |
設置の前に知っておきたい注意点
避難するときはブレーカーを切る
資料では、感震ブレーカー等の設置の有無に関わらず、地震発生後に自宅から避難する際にはブレーカーを切ることも重要です、とされています。
復電するときの確認
復電する場合には、事前にガス漏れ等がないことの確認や、電気製品の安全の確認が必要です、と書かれています。
停電時の明かりを用意する
夜間等に大規模な地震が発生し、感震ブレーカー等が作動した場合、避難時の照明が確保できない可能性があるため、一般的な防災対策としても、停電時に作動する足元灯や懐中電灯などの照明器具を常備してください、とされています。
揺れ方は家によって違う
資料では、感震ブレーカー等の設置場所における揺れは、住宅の構造や耐震・免震機能、階層、設置される壁の剛性や開口部の場所等によっても大きく異なる、とされています。実際の地震時の作動は、各地の計測震度分布と同等に作動するものとは限らず、屋内で家具の転倒等が生じる程度の大きな揺れが発生した場合に、電熱器具等への通電が遮断されることを期待するものだ、という点も書かれています。
自治体の補助
消防庁のページでは、地方公共団体が住民による感震ブレーカーの設置に対して支援を行っている場合があるので、お住まいの地方公共団体のホームページなどを確認してください、とされています。
また、消防庁では、地震時に著しく危険な密集市街地の未解消地区(令和6年3月31日時点)を有する地方公共団体(都道府県又は市区)に対し、地方公共団体が住民に補助を行う際の経費について補助を行っている、と書かれています。そのうち、感震ブレーカーの補助事業を実施している地方公共団体の一覧も、同じページから確認できるようになっています。
国や自治体の取り組み
消防庁のページでは、全国の地方公共団体で、広報啓発や、感震ブレーカーの普及推進に関する計画の策定など、さまざまな取り組みが行われていることが紹介されています。消防庁も、全国の地方公共団体を対象に普及推進の取組状況を調べるフォローアップ調査を行って結果を公表しているほか、関係団体や関係省庁と連携して、普及推進方策を検討する会議を開いている、とされています。ページには、紹介動画や、「感震ブレーカーの選び方」「感震ブレーカーはなぜ必要?」といったパンフレットも掲載されています。
自宅で確かめる手順
ここからは、消防庁の情報をもとにした、この記事の提案です。
分電盤の場所と表示を見る
まずは、自宅の分電盤がどこにあるかを確かめましょう。後付型は漏電ブレーカーが設置されている場合に設置可能とされているので、分電盤のふたを開けて、漏電ブレーカーの表示があるかどうかを見ておくと、業者に相談するときの話が早くなります。ふたの開け方が分からない場合や、配線に触れそうな場合は、無理をしないでください。分電盤の写真をスマホで撮っておくと、業者や自治体の窓口に相談するときに、状況を伝えやすくなります。家族にも分電盤の場所を共有しておきましょう。
家族の暮らし方から選ぶ
在宅用医療機器を使っている家族がいる場合は、資料にあるとおり、停電に対処できるバッテリー等の備えが必要になります。夜間の避難が心配な場合は、待機時間がある分電盤タイプの特徴や、未設置のコンセントへの通電が続くコンセントタイプの特徴も、選ぶときの参考になりそうです。
電気製品の置き場所も見直す
資料では、コンセントタイプについて、電気製品の種別やレイアウトの変更等に応じた効果的な設置と継続的な対応が必要、とされています。電気ストーブなどの電熱器具をどのコンセントで使っているかを書き出しておくと、どこに付けるかを考えるときの手がかりになります。模様替えをしたときも、あわせて見直しましょう。
補助の有無を調べる
工事が必要なタイプを考えている場合は、先に住んでいる自治体のホームページで、感震ブレーカーの設置に対する補助があるかどうかを調べておきましょう。賃貸住宅に住んでいる場合は、工事や取り付けの前に、管理会社や大家さんにも確認が必要です。
取扱説明書を保管する
どのタイプを選んだ場合も、作動したあとの戻し方や、待機時間の変更方法などは、製品によって異なります。取扱説明書は分電盤の近くや、防災用品と同じ場所にまとめて保管しておくと、いざというときに家族の誰でも確かめられます。
不在時のことも考える
消防庁のページにあるように、地震は不在時に起こることもあります。旅行や帰省で長く家を空けるときに、どの部屋の電気が使われたままになっているかを、出かける前に見直しておくのも一つの方法です。
明かりを置く場所を決める
感震ブレーカーが作動すると、家の明かりが消える可能性があります。寝室の枕元、廊下、玄関など、夜中に避難するときに通る場所に、停電時に点灯する足元灯や懐中電灯を置いておくと安心です。電池の残量も、季節の変わり目など、時期を決めて定期的に確かめておきましょう。予備の電池も一緒に置いておくと便利です。
| 確認すること | この記事の提案 |
|---|---|
| 分電盤 | 場所と、漏電ブレーカーの表示を見る |
| 家族の暮らし | 医療機器や夜間の避難を考える |
| 補助 | 自治体のホームページを調べる |
| 住まい | 賃貸なら管理会社に確認する |
| 明かり | 通り道に足元灯や懐中電灯を置く |
感震ブレーカーのよくある質問
感震ブレーカーは何をするもの?
一定以上の揺れを感知すると、自動で電気を遮断する装置です。
工事なしで付けられる?
資料では、簡易タイプは電気工事不要、コンセントタイプは電気工事が不要な差込型と、必要な埋込型がある、とされています。分電盤タイプは電気工事が必要です。
付けていれば避難時にブレーカーを切らなくていい?
資料では、感震ブレーカー等の設置の有無に関わらず、避難する際にはブレーカーを切ることも重要、とされています。
補助はある?
自治体が設置への支援を行っている場合があります。お住まいの自治体のホームページなどで確かめてください。
感震ブレーカーで地震の電気火災に備えよう
感震ブレーカーは、分電盤タイプ(内蔵型・後付型)、コンセントタイプ、簡易タイプの4つに分けられ、電気工事の要否や価格の目安、作動したときの様子が異なります。自宅の分電盤と家族の暮らし方を確かめ、停電時の明かりとあわせて備えてみてください。