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台風や地震で急に電気が止まったとき、真っ先に気になるのが冷蔵庫の中身ではないでしょうか。「中のお肉や牛乳は大丈夫かな」と、つい何度もドアを開けて確かめたくなりますよね。でも、その確認が冷蔵庫の冷えを逃がしてしまうこともあります。
この記事では、パナソニックの冷蔵庫のよくある質問やくらしの情報ページ、食品安全委員会のデータベースで紹介されている海外の食品安全機関の推奨、米国疾病予防管理センター(CDC)の日本語資料、消費者庁の注意喚起、米国農務省食品安全検査局(FSIS)、東京電力パワーグリッドと家電製品協会の案内をもとに、停電したときの冷蔵庫の扱い方を整理しました。冷えを保てる時間の目安、時間がたった食品の考え方、保冷剤の使い方、電気が戻ったあとの確認まで、順番に見ていきましょう。
停電したら冷蔵庫は何時間冷えを保てる?
まずは、停電で冷蔵庫が止まったとき、どれくらいの時間なら冷えを保てるのかを確認しておきましょう。目安の時間は、情報源によって少しずつ書き方が違います。
メーカーの目安はドアを開けなければ約2〜3時間
パナソニックの冷蔵庫のよくある質問のページでは、庫内が十分に冷えている状態で停電になった場合、ドアを開けなければ約2〜3時間は庫内の冷えを保てると説明されていました。ただし、この時間はあくまで目安で、設置場所や季節、天候、食品の保存状況などによって異なると書かれています。
パナソニックのくらしの情報サイト「UP LIFE」の専門家監修の記事でも、停電時の冷蔵庫の保冷期間は一般的に2〜3時間と言われていると紹介されていました。すぐに常温に戻ってしまうわけではないものの、特に夏場は中の食材が心配になる、とも書かれています。
同じ記事では、停電が3時間ほど続くと冷蔵庫内の温度がゆるやかに上がるため、中の食材がだんだん傷んでくると説明されていました。停電が長くなってきたら、肉や魚などの生鮮食品や乳製品は冷蔵庫から取り出し、すぐに食べるか、火が使える環境なら早めに調理するようすすめられています。
計画停電のように、停電することが前もってわかっている場合の準備もパナソニックのよくある質問に書かれていました。事前に電源プラグを抜いておくことがすすめられていて、理由は、復旧したときに圧縮機(コンプレッサー)に負荷がかかるのを防ぐためと、電力超過で冷蔵庫の保護装置が作動するのを防ぐためだそうです。プラグを抜いても、ドアを開けなければ約2〜3時間は冷えを保てるとされています。
停電の直前にドアを開け閉めすると庫内の温度が上がってしまうため、準備は2〜3日前から始めるのがおすすめとのことでした。冷蔵室の食品が多いと冷気がまんべんなく回らず冷えが悪くなるので、冷蔵室に入れる量は容量の7割程度を目安にし、冷気の吹出口や吸込口をふさがないよう案内されています。UP LIFEの記事(2026年1月更新)では、特に最上段は、停電したときに冷凍室から保冷剤や冷凍食品を移せるよう少しスペースを空けておきたい、とも書かれていました。
海外の機関は「4時間」をひとつの区切りにしている
海外の食品安全機関では、「4時間」をひとつの区切りとして案内しているところがあります。CDCの日本語資料では、扉を閉めたままなら冷蔵庫は4時間、食品がぎっしり詰まった冷凍庫は48時間、半分まで入った冷凍庫は24時間、という目安が示されていました。
食品安全委員会のデータベースでは、スペイン食品安全栄養庁(AESAN)の推奨が紹介されていました。それによると、停電が4時間未満なら、冷蔵庫は食品の温度を5℃より低く保てるので、原則として停電を理由に食品を捨てる必要はないとされています。これらの時間は、停電中に冷蔵庫や冷凍庫の扉を開けないことが前提だと書かれていました。
メーカーの目安は2〜3時間、海外の機関の目安は4時間と、少し幅があります。Xでも、冷蔵4〜6時間という目安を紹介している投稿が見られました。時間の数字だけで判断するのではなく、季節や部屋の暑さ、ドアを開けたかどうかで変わるものだと考えて、早めに行動するのが安心です。
冷凍室については、中身の詰まり方で保てる時間が変わるようです。パナソニックのUP LIFEの記事では、冷凍室にすき間なく冷凍した食材を詰めておけば、停電になっても、季節によっては(扉を開けない状態で)半日から丸1日くらい凍った状態が保たれるといわれている、と紹介されていました。
パナソニックのよくある質問のページでは、冷凍室は冷蔵室と違って、食材や冷凍食品をすき間なくきっちり詰めるよう案内されています。凍った食品が保冷剤の働きをしてお互いに冷やし合うので、冷凍効率が高まるそうです。ブックエンドで立てて収納したり、四角い保存容器を使ったりすると、きっちり詰めやすいと書かれていました。
CDCの資料でも、ぎっしり詰まった冷凍庫は48時間、半分まで入った冷凍庫は24時間と、詰まり具合で目安が分けられていました。ふだんから冷凍室にすき間ができているなら、凍らせたペットボトルなどで埋めておくのも一つの方法でしょう。FSISの案内でも、冷凍庫の空いたすき間は凍らせた水のボトルや氷の袋、保冷剤で埋めておくよう書かれていました。
同じFSISの案内では、冷凍庫の中でも、手前やドアポケットに入れた物、小さく薄い包みの物は、奥や底にある大きくて厚い物より早く溶けると説明されています。停電が長引きそうなときはドライアイスや板氷を手に入れる方法も紹介されていて、50ポンド(約23kg)のドライアイスで18立方フィート(約510L)の冷凍庫を2日間保てるという目安が示されていました。ドライアイスは素手で触らず、食品に直接触れないようにする注意も添えられています。
停電中にやること・やらないこと
停電が起きたら、冷蔵庫の冷えをできるだけ長く保つことが大切です。ここでは、停電中にやっておきたいことと、避けたいことを整理します。
ドアの開け閉めはできるだけ控える
どの情報源にも共通しているのが、ドアの開け閉めをできるだけ控えることです。パナソニックのよくある質問のページでは、停電したときは庫内の温度が上がるのを抑えるため、ドアの開閉は極力控えるよう書かれていました。UP LIFEの記事でも、何度もドアを開けたりしないよう、家族に徹底しておくことが大切だとされています。
家族がいると、それぞれが「中身は大丈夫かな」と冷蔵庫を開けてしまうことがあります。停電したら、冷蔵庫は必要なとき以外は開けない、と家族で声をかけ合っておきましょう。取り出す物をあらかじめ決めてから一度に開けるようにすると、開けている時間を短くできます。
UP LIFEの記事では、冷蔵庫のドアパッキンが劣化していると、そこから冷気が外へ逃げて温度が上がる原因になるとも説明されていました。ドアを閉めた状態ですき間にハガキや名刺を差し込み、入りにくければ問題なし、簡単に差し込めたりスルッと落ちたりするなら劣化が考えられるそうです。劣化が疑われるときは早めに取り替えるよう書かれていたので、ふだんの点検として試しておくとよいですね。
FSISは、ふだんの備えとして冷蔵室と冷凍室の両方に家電用の温度計を入れておき、冷蔵室は40°F(約4℃)以下、冷凍室は0°F(約−18℃)以下になっているかを確かめるよう案内していました。冷蔵室でも冷凍室でも食品をまとめて置くと冷たさが長く続くこと、すぐに使わない残り物や牛乳、生の肉などは先に凍らせておくと安全な温度を長く保てることも、計画段階の工夫として挙げられています。停電が起きたあとの行動として、FSISが最初に挙げているのも、冷蔵庫と冷凍庫のドアを閉めたままにすることでした。
東京電力パワーグリッドの停電時の注意点のページでも、停電に備えて、冷凍庫(冷蔵室)の温度を保つためにドアの開閉を控えることと、保冷剤などを用意しておくことが呼びかけられていました。電力会社とメーカーの両方が同じ点を挙げているので、まずはここを家族の約束にしておきたいですね。
保冷剤は一番上の棚へ、長引くならクーラーボックス
急に停電したときは、保冷剤や冷凍食品、凍らせた冷蔵冷凍兼用のペットボトルなどを、冷蔵室の一番上の棚に移すと、庫内の温度が上がるのを抑えられるとパナソニックは案内しています。冷気は上から下へ降りてくるので、一番上に置くことで冷蔵室の中に冷気が行き渡るそうです。
ただし、ドアを開けている時間が長くなると逆効果になるので、ドアの開け閉めは最小限にするよう書かれていました。UP LIFEの記事でも、移し替えるために冷凍室を開けている時間が長くなると、季節によっては冷凍している物が急に溶け始めるので気をつけるよう注意されています。
保冷剤などが溶けると、水滴が染み出すおそれがあります。パナソニックは、新聞紙を敷くなどの対策をすすめていました。床が濡れないように、雑巾を用意しておくと安心です。ふだんから冷凍室に保冷剤を多めに入れておくことが、停電のときに役立ちます。
CDCの日本語資料では、停電が4時間以上続いている場合は、冷蔵庫の中の生鮮食品をクーラーバッグに移し、氷や保冷剤を入れて5℃以下で保管するよう案内されていました。停電が長引きそうなときは、冷蔵庫だけに頼らない方法も考えておきたいところです。FSISの案内では、クーラーの中の食品を40°F(約4℃)以下に保てるだけの氷を入れ、溶け始めたら氷を足すようにとも書かれています。
Xでも、停電したので冷蔵庫の中身を保冷剤と一緒にクーラーボックスに移した、という体験の投稿がありました。三原市の防災情報のアカウントでは、傷みやすい冷蔵室の生鮮品から先に食べ、冷凍食品は保冷剤代わりにできるだけ扉を開けずに保つのがコツだと紹介されていました。
パナソニックのよくある質問のページでは、冷蔵庫に負荷がかかるのを防ぐため、電源プラグは停電が復旧するまで抜いておくこともすすめられています。クーラーボックスや保冷剤の置き場所を、ふだんから家族で確認しておくと、いざというときにあわてずにすむでしょう。
停電が長引いたときの食品の考え方
停電が長く続いたあと、冷蔵庫の中の食品をどうするかは悩みどころです。ここでは、海外の食品安全機関の考え方を紹介しますが、判断に迷う食品は無理に食べないことを基本にしてくださいね。
4時間を過ぎたら傷みやすい食品は捨てる
食品安全委員会のデータベースで紹介されていたAESANの推奨では、4時間以上の停電の場合は食品の温度が5℃を超えている可能性があり、肉、鶏肉、魚、卵、乳、フレッシュチーズなどの腐りやすい食品や残り物は捨てなければならない、とされていました。適切な温度で加熱調理しても、病気を引き起こす可能性があると書かれています。
CDCの日本語資料でも、停電または保冷剤を使わない状態が4時間以上続いた場合は、冷蔵庫の中の生鮮食品(肉、魚、切った果物や野菜、卵、牛乳、食べ残し)を捨てるよう案内されていました。においや色、手ざわりが変わった食品も捨てるように書かれています。
一方で、AESANの推奨では、丸ごとの果物や野菜は高めの温度でも保存できるので、新鮮な状態を保っていれば食べられるとされていました。ソフトドリンクや保存食品、チョコレートなど、習慣で冷蔵庫に入れているだけで腐りやすくない物は、冷気がなくても問題なく食べられると紹介されています。
FSISの一覧は、さらに細かく分かれていました。冷蔵庫の電気が4時間を超えて止まっていた場合に捨てる物として、肉や魚、卵のほか、ハムなどのランチョンミートやソーセージ、スープや煮込み料理、ポテトサラダのような混ぜたサラダ、牛乳や生クリーム、ヨーグルト、やわらかいチーズ、切った果物や野菜、開封済みのジュース、クリーム系のドレッシング、油に漬けたにんにくなどが挙げられています。開封済みのマヨネーズやタルタルソースは、50°F(約10℃)を超えた状態が8時間を超えたら捨てるという基準でした。
反対に、食べてよいとされたのは、マスタードやケチャップ、ピクルス、ジャムのような酸の強い食品(ただし早く傷む場合がある)と、もともと冷蔵が必要ない食品です。丸ごとの生の果物や野菜、未開封のジュース、ドライフルーツ、パンやマフィン、ハードチーズやプロセスチーズ、バターやマーガリン、小麦粉、ナッツなどが例に挙がっていました。
味見やにおいで安全かどうかを判断しない
注意したいのは、食べ物の安全を味見で確かめないことです。AESANの推奨では、食品の安全性を判断するために、決して味見をしたり、見た目やにおいをあてにしたりしないよう書かれていました。CDCの資料でも、絶対に食品を味見して安全かどうかを判断しないで、疑わしい場合は捨てるよう案内されています。
見た目やにおいに変化がなくても、温度が上がっていれば食中毒の原因になる菌が増えている可能性があります。もったいないと感じるかもしれませんが、体調を崩してしまっては元も子もありません。迷ったときは捨てる、という基準を家族で共有しておくとよいでしょう。
CDCの資料では、保冷剤を使ってクーラーバッグや冷蔵庫の中で保管した食品の温度を確認し、5℃を超えていた食品は捨てるようにとも書かれていました。冷蔵庫に温度計を入れておくと、停電中や復旧後に、どれくらい温度が上がったのかを目で確かめられます。
CDCが2025年11月に更新した英語のページでも、危険な食品は見た目やにおいがふつうでも体調を崩す原因になる、と書かれていました。家電製品協会の長期停電後の注意にも、冷蔵庫や冷凍庫の中の食品は賞味期限にかかわらず十分注意するように、という一文が添えられています。期限内だから大丈夫、という考え方も通用しないわけです。
AESANの推奨では、冷蔵庫の中の食品はまとめてではなく、それぞれ個別に評価しなければならないとされていました。大事なのは、冷蔵庫の容量に応じて各食品が何度まで上がったかで、停電が長いほど推奨されない温度に達するリスクが高まると説明されています。傷んだ食品はほかの食品を汚染する原因になり得る、という指摘もありました。
見落としやすいのが、生の肉や魚から出た汁です。FSISは、生の肉・鶏肉・魚から垂れた汁がかかったおそれのあるパンや葉物野菜も捨てるよう案内していました。停電で冷蔵庫の温度が上がると、ドリップが出やすくなります。トレーごとポリ袋に入れておくなど、ほかの食品に汁がつかない置き方をしておくと、捨てる物を減らせるでしょう。
冷凍食品は氷の結晶が残っていれば再冷凍できる
冷凍室の食品については、溶け具合で判断する考え方が紹介されていました。AESANの推奨では、食品が完全に溶けていない(表面に氷の結晶が残り、硬さや冷たさが残っている)場合は、再冷凍できるとされています。
CDCの資料でも、氷の結晶がついている、または5℃以下に保たれている冷凍食品は、安全に再び冷凍したり調理したりできると案内されていました。逆に、いつ溶けたのかわからず、冷えてもいない食品は捨てるべきだとAESANの推奨には書かれています。
AESANの推奨では、扉を開けなければ冷凍庫は少なくとも24〜48時間は凍った温度を保てるとされていました。停電が24時間以上続きそうな地域では、食品が完全に溶けていないかを確かめることが大切で、溶けておらず5℃を超えていない食品なら、その日のうちに食べられるだろうとも書かれています。
FSISの案内では、冷凍室に入っていた食品のうち、溶けても氷の結晶が残っている物と、40°F(約4℃)以下を保っていた物は再冷凍してよいとしつつ、品質は落ちる場合があると注意されていました。ドライフルーツ、フルーツパイやパン、ハードチーズ、バター、フルーツジュース、ナッツのように、もともと冷凍しなくてよい食品は、カビや異臭がなければ使えるとされています。
パナソニックのUP LIFEの記事では、冬場であれば野菜や果物は外に出しておいてもよいとされ、野菜は新聞紙で1つずつ厚めに包み、ふた付きの発泡スチロールの箱などに入れて、雨の当たらない風通しのよい日陰に置くよう紹介されていました。季節によって取れる方法が違うので、そのときの気温に合わせて考えてみてください。
なお、FSISは雪の多い時期について、気温が変わりやすく、衛生面や動物の心配もあるため、傷みやすい食品を雪の中に置かないよう呼びかけていました。代わりに、バケツや空の牛乳パックに水を入れて外で凍らせ、その氷を冷蔵庫やクーラーで使う方法がすすめられています。外に出すのは野菜や果物にとどめ、肉や魚は保冷剤と一緒にクーラーに入れるほうが安心です。
電気が戻ったあとに確認したいこと
停電が終わって電気が戻っても、すぐに元どおりというわけではありません。冷蔵庫や家電を安全に使い始めるために、確認しておきたいことがあります。
プラグを抜いていた場合は7分待ってから差す
パナソニックのよくある質問のページでは、事前に電源プラグを抜いていた場合は、復旧したら差し直すよう案内されていました。ただし、7分以内に復旧した場合は、冷蔵庫に負荷がかかるのを防ぐため、7分以上待ってから差し直すように書かれています。
プラグを抜いていなかった場合は、冷蔵庫は自動で運転を再開するそうです。冷蔵室のドアを開けたときに庫内の明かりがつくか、運転の音がするかなどを確かめるよう書かれていました。自動製氷は庫内が十分に冷えてから始まるので、再開まで少し時間がかかるとのことです。
また、冷蔵庫は一度電源が切れると、各種の設定がリセットされると説明されていました。停電前の状態に戻したいときは、もう一度設定し直す必要があります。機種ごとの設定については、取扱説明書の「こんなときは」の「停電した」を見るよう案内されていました。リセットされる主な設定として、パナソニックはクーリングアシスト機能、速氷設定、エコナビの学習機能を挙げています。エコナビ搭載機種では、停電前と動きが違って見えることがありますが、生活パターンをもう一度学習する「学習期間」に入っているためだそうです。
冷蔵庫以外にも、時刻や予約がずれる家電があります。東京電力パワーグリッドは、炊飯器やテレビの予約録画のようにタイマーを使う製品は、時刻がずれたり予約が消えたりする場合があるとして、復旧後に設定を確かめるよう案内していました。エコキュートや電気温水器のリモコンも、機種によっては時刻の設定が消えるため、表示の確認がすすめられています。
食品を処分したあとの冷蔵庫の掃除については、FSISが手順を示していました。棚や野菜室のケース、製氷皿を外してお湯と洗剤でよく洗い、庫内とドア、パッキンも拭いてから、ドアを15分ほど開けておくという流れです。においが残るときは、酢と水を同じ量で混ぜた液で拭く、重曹やコーヒーの出がらしを浅い容器に入れて置く、といった方法が紹介されていました。
家電は1台ずつ電源を入れて様子を見る
消費者庁の注意喚起では、停電が復旧したあとの通電によって、電熱器具が周りの燃えやすい物に触れていたことによる発火や、水につかったり部品が壊れたりした家電がショートして発火する製品事故も起きていると書かれていました。復旧後に家電を使うときは、外観に異常がないかを確かめるよう呼びかけています。
具体的には、電源プラグやコードに傷がないか、製品に焦げた跡はないかなどを確認してから、分電盤のブレーカーを入れ、機器の電源プラグを1台ずつコンセントに差して、様子を見ながら使うよう案内されていました。異音や異臭がする場合は、必ず使用をやめて、メーカーや販売店に相談するよう書かれています。
家電製品協会のページでも、長時間の停電のときは家電製品の電源プラグをコンセントから抜いておくことがすすめられていました。モーターを使う家電は電源が入ったときに大きな電流を使うため、停電から戻ったときに家中の家電が一斉に動き始めると、ヒューズやブレーカーが飛ぶなどの影響が考えられるそうです。同じページでは、製品ごとに電源を入れて動くかどうか、焦げくさいにおいなどの異常がないかを確かめ、異常があれば使うのをやめてプラグを抜き、販売店に点検や修理を相談するよう書かれていました。ブレーカーが落ちた場合も、使うのをやめてプラグを抜き、販売店に相談するよう案内されています。
家電製品協会は、地震で転倒したり落下したりした製品について、一見問題がないようでも内部の電子部品が壊れている場合があり、そのまま通電すると発煙や発火、感電のおそれがあるとして、販売店で点検や修理を受けるよう案内していました。
東京電力パワーグリッドは、停電が解消したときの事故を防ぐため、ハンドミキサーや電気ドリル、電動ノコギリのような回転する器具のプラグも抜いておくよう呼びかけていました。電気が戻った瞬間に急に動き出すと、けがにつながるおそれがあるからです。冷蔵庫のように動き続けてほしい物と、止めておきたい物を分けて考えると整理しやすくなります。
避難するときはブレーカーを切っておく
消費者庁の注意喚起では、自宅から避難する際に時間の余裕がある場合は、停電の復旧時に異常のある製品に電気が流れて事故になるのを防ぐため、分電盤のブレーカーを切るよう呼びかけていました。ふだんから分電盤の場所や操作方法を確認しておきましょう、とも書かれています。
家電製品協会も「災害時の1・2・3」として、まず自分と家族の安全を確保する、災害が起きたら火を消す習慣をつける、屋外に避難するときはブレーカーを切る、という3つを挙げていました。東京電力パワーグリッドも、停電中に外出するときは分電盤のブレーカーを切っておくと電気の消し忘れによる事故を防げるとし、停電が解消したら、ブレーカーを入れたあとに機器のプラグを差し込むよう案内しています。
特に、ヒーターを内蔵した電気こんろや電気ストーブなどの電熱器具は、停電の復旧時に意図せず動き出して火事になるのを防ぐため、停電したら電源プラグをコンセントから抜くよう案内されていました。東京電力パワーグリッドのページでも、アイロンやドライヤー、シーズヒーターなどの電熱器具のプラグを抜くよう書かれています。冷蔵庫だけでなく、家全体の家電に目を向けておきたいポイントです。
また、停電が長引くときの非常用電源として携帯発電機を使う場合は、屋内では絶対に使わないよう、消費者庁は強く呼びかけていました。排ガスに一酸化炭素が含まれていて、屋内や風通しの悪い場所での使用による死亡事故も報告されているそうです。車の中やテントの中も、屋内と同じかそれ以上に危険だと書かれていました。屋外で使う場合も、排ガスが逆流しないよう、出入口や窓などから離れた風通しのよい場所で使うよう注意されています。
浸水の被害を受けた場合は、さらに注意が必要です。家電製品協会は、水害などで冠水した製品は漏電の危険が高いため、プラグをコンセントから抜くよう書いていました。一見乾いているようでも、内部が乾いていなかったり泥や塩分が残っていたりすると発煙や発火、感電のおそれがあり、一時的に使える状態でも絶対にそのまま通電しないよう呼びかけています。
まとめ:停電前の準備と、停電中は開けないことが基本
最後に、停電したときの冷蔵庫の扱い方について、この記事で紹介したポイントを振り返っておきましょう。いざというときにあわてないよう、家族で共有しておくと安心です。
- 冷蔵庫はドアを開けなければ約2〜3時間冷えを保てる(パナソニックの目安)
- 海外の機関では、冷蔵庫は4時間、冷凍庫はぎっしりなら48時間、半分なら24時間が目安
- 停電中はドアの開け閉めを控え、保冷剤や凍らせたペットボトルを冷蔵室の一番上の棚へ
- 4時間以上たったら、肉や魚、卵、牛乳、食べ残しなどの傷みやすい食品は捨てる
- 味見やにおいで安全かどうかを判断せず、迷ったら捨てる
- 復旧後は家電の外観を確認し、1台ずつ電源を入れて様子を見る